ゴルフ場で働くスタッフの中に「キャディ」という職種があります。
その存在は知っていても、実際日頃どんな仕事をしているのかよく知らない方も多いと思います。
今回は長年ゴルフ場に勤務していた筆者が、キャディさんのお仕事について紹介していきます。
「未経験だけどこれからキャディの仕事をしてみたい!」という方はぜひ参考にしてみてください!
筆者の奥様は現役のキャディです。
未経験から始めましたが今では立派なベテラン!
リアルな情報をお伝えします。
キャディの仕事内容
キャディ付のゴルフ場にとってキャディさんとはなくてはならない大切な存在です。
実際にキャディ経験のある私が、キャディさんが毎日どんな仕事をしているのか紹介いたします。
プレーヤーのサポートが仕事の基本
キャディの基本は【お客さんのプレーのサポート】をすることです。
具体的には、
- キャディバッグのカートへの積み込み・積み下ろし
- クラブ・ヘッドカバーの管理
- プレー中のお客さんへクラブのお渡し・引き取り
- コース説明・残り距離の案内・コース攻略アドバイス
- ボールの行方確認
- グリーン上でのボール拭き・傾斜や芝目からグリーンを読む
- 安全にプレーするための安全管理
- 目土などのコース保護
コース内でお客さんのラウンドに同行しながら上記の業務をこなしていきます。
「いろいろやる事が多いな」と思うかもしれませんが、慣れてしまえばやることは同じですので自然に体が動いてくれます。
基本的にはお客さんのプレーの補助をする接客・サービス業になります。
ゴルフは4人1組でラウンドすることが基本ですので、これを4人分行うことになります。
キャディ業務を行うために必要なこと
実際にキャディさんが仕事を行う上で身につけることを紹介いたします。
どれも経験を積めば自然と身に付く事ですので心配入りません!
接客・サービス
先ほども述べましたが、キャディは接客業・サービス業の職種に分類されます。
朝のお出迎えから、帰りのお見送りまで、お客さんが気持ちよくプレーして帰れるよう心がける必要があります。
笑顔や挨拶など、良い接客のできるキャディさんはそれだけでお客さんから良い評価をもらえます!
「また来るね!」と言ってもらえるような接客を目指しましょう。
クラブ渡し・受け取り
お客さんへ次に使うクラブを渡したり、使ったクラブを受け取ってバッグにしまったりします。
慣れてくると数ホールの間で、どのお客さんが次にどんなクラブを使うかなどが分かってきますので、お客さんに言われる前にクラブを用意しておくと大変喜ばれます。
とはいえ、「いきなりそんなこと難しいよ」となると思いますので、お客さんに残り距離を伝えてどのクラブを使うか直接聞いてしまいましょう。
基本的にクラブ選択はお客さんが決める
あくまで、クラブを選択するのはお客さんです!
キャディさんは、残りの距離を伝えてその補助をするという認識で問題ありません。
間違っても「そのクラブじゃグリーンまで届きませんよ?」なんてことは言わないように気をつけましょう。
コースを覚える
キャディ業務を行う上で、コースを覚えることは必須のスキルです!
初めてそのコースに訪れるお客さんは、狙い目やバンカーなどのハザードの有無、OBの場所などが分かりません。
それをアドバイスしてコース戦略のサポートをするのがキャディさんです。
これが始めたばかりのうちはなかなか覚えられなくて苦戦するキャディさんが多いのも事実。
でも心配いりません。
ベテランキャディさんも初めはみんなそうでしたし、毎日同じコースを回っていくうちに徐々に覚えていきます。
また、コースを覚えて行くと、「この位置からグリーンまではあと何ヤードだな」っていうことが分かってきます。
グリーンまでの残り距離はよく聞かれますので、早めに感覚をつかんでおくとスムーズに仕事ができるでしょう。
残り距離が分からないとクラブ選択ができないので、コースは早めに覚えておくと良いです。
グリーンを読む
グリーン読みも始めたばかりの頃は難しいかもしれませんが、経験を積めば覚えられますので大丈夫です。
具体的には、
- グリーンの傾斜や芝目はどうなっているか
- ボールの位置からカップまでの傾きはどうなっているか
- どのあたりを狙ってどのくらいの強さで打てばカップに入るか
以上のようなことをアドバイスする必要があります。
グリーン読み習得のコツは『お客さんが打ったボールが、実際にどんな転がり方をしているのか』を毎回よく観察しておくことです。
慣れれば、どんな位置からのボールでもアドバイスできるようになりますよ!
お客様のクラブ・ヘッドカバーの管理
お客さんのクラブとヘッドカバーの管理もキャディさんの仕事の1つです。
朝カートに積み込んだ時の状態と、帰りも同じ状態になっているよう気をつけましょう。
コース内でクラブの受け渡しが頻繁に行われますので、帰ってから「1本足りない!」ということがないように常に注意しておく必要があります。
また、お客さん自身でクラブを持ち運んでいる場合、無意識にどこかでクラブを置いてきてしまうこともありますので、数ホールに1度はちゃんとバッグにクラブが入っているか確認する必要があります。
ヘッドカバーも同様に、数ホールごとに確認しておくと良いでしょう。
ヘッドカバーがカート乗車中に揺れで落ちてしまうことがよくあります。
プレー中の安全管理をする
ゴルフで1番怖いのが打球事故です。
自分の組のお客さんが打ってもボールが届かない位置まで前の組が進んでいるか、常に確認することもキャディさんの大事な仕事です。
そして、これから打とうとしている人の前には、自分も含めて同伴者が出ないよう注意を促すことも大切なことです。
万が一、打球が他の人のいる方へ行ってしまったり、隣のホールへ飛んでいってしまった場合、迷わず「フォアー」の掛け声をかけましょう。
危険を知らせる大事な掛け声です。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、慣れればなんでもありませんし、命に関わる大事なことですので、危ないと思ったら躊躇せず声を出しましょう!
キャディ業務のメリット
キャディ業務を行う中で、キャディさんならではのメリットもあります!
- チップをもらえる
- 給料を時給換算すると割りが良い
- 業務時間が短め
- ゴルフを始めるための知識が身に付く
【チップをもらえる】
毎回ではありませんが、付いたお客さんから給料とは別にチップをもらえることがあります。
ゴルフ場でチップをもらえるのは基本キャディさんだけです。
一生懸命仕事をして、お客さんに満足してもらえればチップをもらえる可能性も高くなる傾向です。
【給料を時給換算すると割りが良い】
4人1組のお客さんに付いた場合、少なくとも1万円以上もらえるコースが多いです。
キャディの仕事はお客さんのラウンドが終われば片付けをして終わります。
コース内での仕事は4時間〜5時間くらいの場合が多いです。
時給にするとかなり割りが良い仕事と言えますよね!
【業務時間が短い】
スタート時間にもよりますが、早い人だと朝7時に出勤して午後1時過ぎにはもう帰れるという場合もあります。
朝は早いですが、夕方前に帰宅できる仕事というのはなかなかないメリットだと思います!
【ゴルフを始めるための知識が身に付く】
「これからゴルフをやってみたい!」という方にはこれ以上ない仕事です。
基本的なルールやクラブのことなどはもちろん、グリーンの見方やコース攻略なども覚えられます。
また、ゴルフ場によっては福利厚生で勤務しているコースを安くプレーできることも多いです。
キャディの仕事って未経験でもできる?
これまでの内容を見て「大変そうだな」「ゴルフのこと全く知らない自分にはできないな」と思った方もいるかもしれません。
ですが、未経験でもキャディの仕事はできます。
というより、できるようになります。
実際、今キャディとして働いている人のほとんどがゴルフ未経験で始めた人が多いです。
少なくとも私が勤務していたゴルフ場は、ゴルフ経験者でキャディを始めた人は数人だけでした。
8割以上の人が未経験からキャディを始めています。
そしてどんどんスキルを身につけています。
未経験でも3ヶ月もすればある程度の業務はこなせるようになりますので安心してください。
少しでもゴルフに興味があるのなら、きっとキャディの仕事も覚えられると思います。
それに、ゴルフのお客さんは紳士淑女な方が多いです。
まだまだ初心者でも、一生懸命仕事をしているキャディさんにはみんな優しく接してくれますよ!
楽な仕事ではありませんが、キャディ経験のある人はずっとキャディの仕事を続ける人が多いのも特徴です。
興味のある方は始めてみてはいかがですか?